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ねずみと爺さ

『ねずみと爺さ』

『まんが日本昔ばなし』の第63話。

あらすじ

貧しい爺さんが、ある日森で大きなねずみに出会います。ねずみは爺さんの貧しさを哀れんで、毎日美味しい食べ物を届けます。しかし、ある日、爺さんがねずみの正体を暴くと、ねずみは約束の食べ物を持ってくるのをやめてしまいます。

やがて、村の殿様がねずみに困っていることを知り、爺さんはねずみを捕らえることを頼まれます。爺さんはねずみの弱点を突き、見事にねずみを捕らえます。しかし、爺さんはねずみに同情し、殿様からもらった褒美をねずみに与えます。

登場人物

  • 爺さん: 貧しい老爺
  • ねずみ: 大きなネズミで、人間に変身できる
  • 殿様: 村の権力者

テーマ

  • 恩返し: ねずみは爺さんの貧しさを哀れんで食べ物を与え続ける
  • 誠実さ: 爺さんはねずみの正体を暴いても、約束を守った
  • 人間性: 爺さんはねずみを捕らえることを頼まれながらも、同情し、褒美を与えた

文化的な背景

  • ネズミよけ: 日本では、ネズミが米などの穀物を荒らすため、昔からネズミよけが行われてきた
  • 恩返し: 動物や妖怪が人間に恩返しをするという話は、日本昔話によく登場する

教訓

  • 恩には恩で返すことが大切
  • 誠実であることは、どんなときも重要
  • 弱いものにも思いやりを持つことが大切

牛鬼淵

『牛鬼淵』

概要

  • 『まんが日本昔ばなし』の第417話(1979年2月18日放送)
  • 原作:『新編雑纂中物語』
  • モチーフ:牛鬼伝説

あらすじ

昔、信濃の国に恐ろしい牛鬼淵という淵がありました。その淵に住む牛鬼は、人や家畜を襲い、あたりを荒らしていました。

ある時、村の若者たちが牛鬼を退治しようと槍や弓矢を持って淵に集まりました。しかし、牛鬼は強大で、次々と若者たちをなぎ倒していきました。

そこで、村の年寄りが知恵を絞り、牛鬼の好物の桑の実を大量に集めることにしました。牛鬼が桑の実に気を取られている隙に、若者たちが一斉に攻撃を仕掛けました。

牛鬼は桑の実に夢中で、若者たちの攻撃に気づきませんでした。やがて、牛鬼は桑の実を食べ尽くし、腹いっぱいで動けなくなりました。若者たちはその隙に牛鬼を倒し、村を恐怖から救いました。

牛鬼

牛鬼は、牛の頭と胴体、虎の足の妖怪です。人や家畜を襲うのが好きで、特に桑の実を好みます。

牛鬼淵

牛鬼淵は、牛鬼が住むとされる淵です。実際に存在する淵は、長野県の霧ヶ峰高原にあります。

教訓

この話は、知恵と団結の大切さを教えてくれます。どんなに強い敵でも、知恵と協力があれば乗り越えることができます。

荒坂長者

あらすじ

昔、荒坂という村に、国の重宝である「しゃくやくの壺」と「おしゃもじの鉢」を預かる長者が住んでいました。ある日、長者の娘が宝物を見ようと壺を開けると、中からは美しい姫が現れました。姫は「自分は中国の天子の子で、壺に閉じ込められていた」と語りました。

長者は姫を大切にし、娘のように育てました。しかし、ある時、天子が姫を迎えにやってきました。長者は壺と鉢を天子に返しましたが、姫と離れるのが悲しくなりました。すると、姫は「この鉢で粥を作れば、私は帰りたくなったら鉢の中から声をかけます」と言い残して去っていきました。

その後

それから数年後、長者は貧乏になってしまいました。ある日、長者が鉢で粥を作っていると、中から姫の声が聞こえました。「おとうさま、私は帰りたくなりました。おしゃもじを飲み込んでください」

長者は言われた通りにおしゃもじを飲み込みました。すると、姫が鉢の中から現れました。姫は長者の貧乏を治し、再び天に帰っていきました。

教訓

この話は、以下の教訓を伝えています。

  • 大切なものは大切に扱うべきである。
  • たとえ貧困に陥っても、あきらめてはいけない。
  • 恩義は忘れない。

登場人物

  • 荒坂長者: 宝物「しゃくやくの壺」と「おしゃもじの鉢」を預かる長者
  • 長者の娘: 宝物を開けて姫を解放した
  • 中国の姫: 壺に閉じ込められていた
  • 天子: 姫の父

舞台

  • 荒坂村

時系列

  • 長者が宝物を受け取る
  • 姫が壺から解放される
  • 天子が姫を迎えに来る
  • 長者が貧乏になる
  • 姫が鉢の中から声をかけ、長者の貧乏を治す

備考

  • この話は、中国の「孟姜女」という伝説がもとになっていると言われています。
  • 「しゃくやくの壺」は、長寿や不老不死の薬が入っていると信じられていたと言われています。
  • 「おしゃもじの鉢」は、無限に粥が出る不思議な鉢と言われています。

隠れ島の婿さま

「隠れ島の婿さま」

収録:まんが日本昔ばなし 第1195話(1983年10月17日放送)

あらすじ

昔々、美しい娘の千代が住む村がありました。ある日、村に立派な若者・与平がやって来て、千代に求婚します。しかし、千代の父はお金を目的で娘を他の家に嫁がせようとしていました。

困った千代は、村はずれにある「隠れ島」へ逃げ込みます。隠れ島には、美しいが気むずかしい乙女・乙姫が住んでいました。千代は乙姫に助けを求め、乙姫は千代を一時的にかくまいます。

一方、千代を捜していた与平が隠れ島を見つけます。乙姫は、千代と結婚させるかわりに、与平に難題を3つ課します。

与平の難題

  1. 「くすべの毛のつめ物」:くすべ(ムカデ)の毛を集めて布団を作る。
  2. 「鬼の豆つき」:鬼が撒く豆をすべて拾う。
  3. 「星取り」:空から星を1つ取って来る。

与平は知恵と勇気を使って、これらの難題を克服します。

乙姫は与平の誠実さを認め、千代と与平の結婚を承諾します。千代と与平は隠れ島から出て、村で幸せに暮らし始めました。

教訓

  • 愛のためには困難に立ち向かう勇気を持つこと。
  • 誠実さはたとえ困難な状況でも報われること。
  • 外見やお金に惑わされず、本当の人間性を見極めること。

エビとカラス

『エビとカラス』

あらすじ:

ある日、カラスが川でエビを見つけ、捕まえて食べようとした。しかし、エビは小さすぎて食べ応えがない。そこでカラスは、エビをもう少し大きく育てるために、沼に放して育てることにした。

内容:

  • エビを沼に放したカラスは、毎日エビに餌を与え、世話をする。
  • エビは急速に大きくなり、やがてカラスをはるかに超える大きさになる。
  • カラスがエビを食べるために沼に戻ると、エビは大きくなりすぎて食べることができない。
  • そこでカラスは、エビに助けを求める。
  • エビは、カラスに恩返しとして、背中に乗せて沼から出す。

教訓:

  • 恩を忘れない
  • 人に親切にすれば、いつか自分にも良いことがある
  • 困った時には、助けを求めることが大切

物語の派生:

  • 一部のバージョンでは、エビがカラスを沼の向こう側まで運んだ後、カラスがエビを食べる。
  • また、エビがカラスの落とした別の物を背負ってあげるというバージョンもある。
  • この物語は、「恩返し」というテーマを扱った日本の有名な昔話であり、学校や家庭でよく語られている。

三合ばば

まんが日本昔ばなし『三合ばば』

あらすじ

昔、三合という貧しい村に住む名前のないお婆さんがいました。三合ばばは、小さいながらもいつも笑顔で、村人に親切にしていました。

ある日、村に飢餓が訪れ、人々は食べ物がなくなりました。三合ばばも食べ物に困り、毎日山に行って木の実や草の根を採ってきていました。

ある日のこと、三合ばばは山の中で一匹の大きな犬に出会いました。犬は怪我をしていて、三合ばばはそれを家に連れて帰って介抱しました。

すると、次の日から不思議なことが起こり始めました。三合ばばが米びつを開けると、いつも米が満タンになっているのです。しかも、いくら使っても減りません。

村人たちは三合ばばにその秘密を尋ねました。すると、三合ばばは犬の話をしました。村人たちは犬を感謝して大切にしましたが、犬は数日後、三合ばばのもとを去っていきました。

犬が去った後も、米びつにはいつも米が満タンでした。三合ばばは村人に米を分け与え、村は飢餓から救われました。そして、三合ばばの名前は村人にいつまでも語り継がれました。

教訓

  • 親切にすることの大切さ: 三合ばばは動物にも優しくした結果、報酬を得ることができました。
  • 感謝の気持ちを持つこと: 村人たちは三合ばばを感謝し、犬を大切にしました。
  • 神のご加護があると信じれば、困難を乗り越えられる: 三合ばばは犬を助けたことがご加護につながったと信じていました。

播磨のめっかい

『播磨のめっかい』

『播磨のめっかい』は、日本の昔話で、まんが日本昔ばなしで取り上げられたエピソードです。

あらすじ

播磨の国に住むめっかいという気のいい男がいました。ある日、百姓仕事をしていると、田んぼで馬が暴れて困っている旅人の女性を見つけます。めっかいは馬をなだめ、女性のために馬車を用意してあげます。

その女性は、実は高貴な身分の姫君でした。彼女はめっかいの親切に感謝し、いつか必ず恩返しをすると約束します。

その後、播磨の国は干ばつに見舞われ、人々は水不足に苦しみます。めっかいは、姫君に約束した恩返しを思い出し、彼女の助けを求めます。

姫君はすぐに助けに来て、自身の帯を尻尾に巻いて海まで飛び込みます。すると、海から大雨が降り出し、干ばつは解消されました。

めっかいは姫君に感謝し、姫君は都へ帰りました。そして、めっかいは「めっかい」という名の由来の通り、みんなに愛され親切に生きるようになりました。

登場人物

  • めっかい: 播磨の国に住む気のいい男
  • 姫君: 高貴な身分の女性
  • 百姓: めっかいの隣人
  • 村人: 干ばつに苦しむ人々

教訓

  • 親切はいつか必ず報われる。
  • 困っている人を助けることは良い行いである。
  • 水は命の源である。

虹の渡し舟

まんが日本昔ばなし「虹の渡し舟」

あらすじ

昔、雨の多い村に、雨のたびに水が溢れ橋が流されてしまう問題がありました。村人たちは困り果てていましたが、ある日、美しい虹が出現しました。すると、虹に光る一艘の舟が現れ、村人たちを対岸へと運んでくれました。

村人たちは虹の舟に感謝し、大切にしました。しかし、ある時、裕福な地主が舟を使おうとしましたが、舟は彼を乗せませんでした。地主は怒り、舟を傷つけました。

すると、虹の舟は光を失い、消えてしまいました。村は大雨により再び孤立し、困り果ててしまいました。

登場人物

  • 村人
  • 虹の舟
  • 裕福な地主

教訓

  • 自然の恵みに感謝する
  • 傲慢や自己中心的な行為は報われない

背景

この物語は「天の橋伝説」という、富山県などの日本各地に伝わる民話を基にしています。

備考

  • 「まんが日本昔ばなし」は、1975年から1994年まで放送された日本のアニメーションシリーズです。
  • 「虹の渡し舟」は、1976年7月18日に放送された第57話です。
  • 原作は、稲田和浩の「虹のわたり舟」(『日本の昔話』より)です。

ふとんの話

『ふとんの話』

ストーリー

貧乏暮らしの兄弟がいました。兄の太郎は博打が大好きで、毎晩のように賭けをしていました。ある寒い夜、太郎は賭けに負けて大切なふとんを質屋に預けてしまいました。

弟の次郎は兄のせいで寒い思いをするのは嫌だと思い、兄のふとんを盗んで自分のものにしようとしました。しかし、太郎は次郎の企みに気づいていて、次郎がふとんを盗もうとした瞬間、太郎は次郎を叩きました。

次郎は怒って兄に抗議しましたが、太郎は「ふとんは俺のだ。勝手に盗むな」と言い張りませんでした。次郎は仕方なく、寒い夜を過ごしました。

次の夜、今度は次郎が賭けをしてふとんを質屋に預けてしまいました。太郎は弟のふとんを盗もうとしましたが、次郎は兄の企みにはまらず、太郎がふとんを盗もうとした瞬間、次郎は兄を叩きました。

太郎は怒って弟に抗議しましたが、次郎は「ふとんは俺のだ。勝手に盗むな」と言い張りました。太郎は仕方なく、寒い夜を過ごしました。

兄弟は互いにふとんを盗み合おうと何度もしましたが、どちらも成功しませんでした。結局、2人は寒い思いをして夜を過ごすことになりました。

教訓

  • 人から物を盗んではならない。
  • 約束は守らなければならない。
  • 欲張らずに、自分にあるものに満足しなければならない。

猫岳の猫

作品概要

  • タイトル: 猫岳の猫
  • 放送局: NHK総合
  • 放送期間: 1977年3月28日
  • 原作: 国語教材『猫岳の猫』

ストーリー

昔々、山のふもとに住む貧しいお婆さんがいました。お婆さんはある日、山から下りてきた怪我をした猫を家に連れ帰ります。お婆さんは猫を介抱し、小さな小屋で一緒に暮らし始めます。

ある日、お婆さんが山菜を取りに行くと、山道で大きな熊に襲われます。助けてくれと叫ぶお婆さんの声に、小屋に残された猫が駆けつけ、熊と戦います。猫の機転と勇敢さで、熊は撃退されました。

それ以来、猫はお婆さんの命の恩人となり、「猫岳の猫」として村人に慕われるようになります。しかし、ある嵐の夜、猫は小屋から姿を消します。

お婆さんは必死に猫を探しますが、見つかりません。すると、嵐が過ぎ去った翌朝、猫岳と呼ばれる山の頂上に猫の姿が見えます。猫は嵐の夜、小屋の屋根を飛び越えて山に登り、そこで命を落としていたのです。

村人たちは猫岳に猫の供養塔を建て、その勇気と忠義を称えました。

登場人物

  • お婆さん
  • 猫岳の猫

テーマ

  • 動物と人間の絆
  • 勇気と忠義
  • 命の尊さ

制作スタッフ

  • 原作: 久留島武彦
  • 脚本: 高屋敷英夫
  • 監督: 楠部大吉郎
  • キャラクターデザイン: 杉野昭夫
  • 音楽: 越部信義

影響

『猫岳の猫』は、日本昔ばなしシリーズの中でも特に愛されている作品の一つです。その感動的なストーリーと美しいアニメーションは、世代を超えて視聴者に愛され続けています。この作品はまた、多くの学校の国語教材として採用されており、動物の命の尊さと仲間の大切さを伝える上で重要な役割を果たしています。