おすすめ投稿

まんが日本昔ばなし

『まんが日本昔ばなし』

概要

『まんが日本昔ばなし』は、1975年から1994年までMBS・NETテレビ系で放送された日本のテレビアニメシリーズ。日本の昔話や伝説を題材に、アニメーションとナレーションで物語る。

制作

  • 制作:日本サンライズ(現・サンライズ)
  • 放送局:毎日放送(MBS)、NETテレビ(現・テレビ朝日)
  • 放送期間:1975年1月5日 – 1994年3月27日
  • 放送時間:毎週日曜 18:00 – 18:30(1992年4月以降は18:30 – 19:00)
  • 話数:全1551話

ストーリー

各話は独立した昔話で構成されており、日本の各地に残るさまざまな伝説や民間伝承が題材となっている。話によっては、複数話にわたるものもある。

特徴

  • アニメーション:作画はシンプルでコミカル。キャラクターはデフォルメされ、かわいらしいデザイン。
  • ナレーション:俳優の常田富士男が担当。語り口調は平易かつユーモラスで、子どもにもわかりやすい。
  • 音楽:各話ごとに異なるオリジナル楽曲を使用。 folclore調の軽快なリズムが特徴。

評価

『まんが日本昔ばなし』は、日本国内で高い人気を博し、世代を超えて愛されている。その理由として、以下が挙げられる。

  • わかりやすいストーリー:昔話や伝説を簡潔かつわかりやすく描き、子どもから大人まで楽しめる。
  • 親しみやすいキャラクター:コミカルな作画で描かれたキャラクターが親しみやすく、共感を得やすい。
  • 教育的な要素:昔話が持つ教訓や道徳観をさりげなく伝えることで、子どもの成長に役立つ。
  • 郷土愛の醸成:日本の各地を舞台にした話が多く、視聴者の郷土愛を育む。

影響

『まんが日本昔ばなし』は、日本のアニメーション業界に大きな影響を与えた。

  • アニメーションの普及:本作の成功により、子ども向けアニメーションが広く普及した。
  • 昔話の再認識:本作を通じて、忘れられていた昔話が再認識され、伝承が維持された。
  • アニメーターの育成:サンライズは、本作の制作を通じて多くのアニメーターを輩出した。

『まんが日本昔ばなし』は、日本の文化遺産として高く評価されており、現在でも再放送やDVD化が行われている。

参考URL:
まんが日本昔ばなしと世界の童話のすべて

さるやの石

まんが日本昔ばなし「さるやの石」

あらすじ

昔、とある村に善良な若者・佐吉が住んでいました。佐吉はいつも猿に食べ物を分け与えていました。ある日、佐吉が山で薪を集めていると、一匹の猿が「佐吉様、今喉が渇いて困っております」と言ってきました。佐吉は猿の喉を潤そうと川まで急ぎましたが、川の水は枯れていました。

困った佐吉は、自分の喉を潤す水も飲まずに、大きな岩に自分の爪で傷をつけ、その滲み出た血を猿に飲ませました。すると、岩から霊泉が湧き出し始め、猿の喉の渇きを癒しました。

佐吉の石の伝説

この岩は「佐吉の石」と呼ばれるようになり、伝説として語り継がれました。佐吉の石から湧き出た霊泉には不思議な力があり、これを飲むと喉の渇きが癒えるだけでなく、長生きしたり、病気が治ったりすると言われました。

登場人物

  • 佐吉: 善良で思いやりのある若者
  • 猿: 佐吉に救われた猿
  • 村人: 佐吉の石の霊験譚を伝える村人

教訓

この物語は、親切や思いやりが報われること、また、困っている人を助けることは自分の幸せにもつながることを教えてくれます。また、感謝の心を持つことの大切さも強調しています。

不思議なコマ犬

まんが日本昔ばなし「不思議な狛犬」

あらすじ

昔々、ある村に狛犬が住む神社がありました。この狛犬は一風変わっていて、阿吽の阿の狛犬は頭が小さく臆病者、吽の狛犬は頭が大きく勇敢者でした。

ある日、村に大蛇が現れ、村人たちが怯える中、吽の狛犬は村人たちを守るため大蛇と戦います。しかし、大蛇は強すぎて吽の狛犬は怪我をしてしまいます。

困った阿の狛犬は、村人のために助けを求めて旅に出ます。しかし、誰も阿の狛犬を助けてくれません。途方に暮れた阿の狛犬は、不思議な翁に出会います。

翁は阿の狛犬に、大蛇を倒すには「力」ではなく「知恵」が必要だと教えます。阿の狛犬は翁の言葉に従い、大蛇の弱点をつく作戦を考えます。

そして、阿の狛犬は吽の狛犬と協力して大蛇を倒します。村人たちは大喜びし、2匹の狛犬は村の英雄となり、いつまでも人々をを守りました。

登場人物

  • 阿の狛犬:頭が小さく臆病者
  • 吽の狛犬:頭が大きく勇敢者
  • 村人
  • 大蛇
  • 不思議な翁

教訓

  • 力だけでなく、知恵も大切。
  • 勇気と知恵があれば、どんな困難も乗り越えられる。
  • 仲間と協力すれば、不可能も可能になる。

猫岳の猫

作品概要

  • タイトル: 猫岳の猫
  • 放送局: NHK総合
  • 放送期間: 1977年3月28日
  • 原作: 国語教材『猫岳の猫』

ストーリー

昔々、山のふもとに住む貧しいお婆さんがいました。お婆さんはある日、山から下りてきた怪我をした猫を家に連れ帰ります。お婆さんは猫を介抱し、小さな小屋で一緒に暮らし始めます。

ある日、お婆さんが山菜を取りに行くと、山道で大きな熊に襲われます。助けてくれと叫ぶお婆さんの声に、小屋に残された猫が駆けつけ、熊と戦います。猫の機転と勇敢さで、熊は撃退されました。

それ以来、猫はお婆さんの命の恩人となり、「猫岳の猫」として村人に慕われるようになります。しかし、ある嵐の夜、猫は小屋から姿を消します。

お婆さんは必死に猫を探しますが、見つかりません。すると、嵐が過ぎ去った翌朝、猫岳と呼ばれる山の頂上に猫の姿が見えます。猫は嵐の夜、小屋の屋根を飛び越えて山に登り、そこで命を落としていたのです。

村人たちは猫岳に猫の供養塔を建て、その勇気と忠義を称えました。

登場人物

  • お婆さん
  • 猫岳の猫

テーマ

  • 動物と人間の絆
  • 勇気と忠義
  • 命の尊さ

制作スタッフ

  • 原作: 久留島武彦
  • 脚本: 高屋敷英夫
  • 監督: 楠部大吉郎
  • キャラクターデザイン: 杉野昭夫
  • 音楽: 越部信義

影響

『猫岳の猫』は、日本昔ばなしシリーズの中でも特に愛されている作品の一つです。その感動的なストーリーと美しいアニメーションは、世代を超えて視聴者に愛され続けています。この作品はまた、多くの学校の国語教材として採用されており、動物の命の尊さと仲間の大切さを伝える上で重要な役割を果たしています。

ふとんの話

『ふとんの話』

ストーリー

貧乏暮らしの兄弟がいました。兄の太郎は博打が大好きで、毎晩のように賭けをしていました。ある寒い夜、太郎は賭けに負けて大切なふとんを質屋に預けてしまいました。

弟の次郎は兄のせいで寒い思いをするのは嫌だと思い、兄のふとんを盗んで自分のものにしようとしました。しかし、太郎は次郎の企みに気づいていて、次郎がふとんを盗もうとした瞬間、太郎は次郎を叩きました。

次郎は怒って兄に抗議しましたが、太郎は「ふとんは俺のだ。勝手に盗むな」と言い張りませんでした。次郎は仕方なく、寒い夜を過ごしました。

次の夜、今度は次郎が賭けをしてふとんを質屋に預けてしまいました。太郎は弟のふとんを盗もうとしましたが、次郎は兄の企みにはまらず、太郎がふとんを盗もうとした瞬間、次郎は兄を叩きました。

太郎は怒って弟に抗議しましたが、次郎は「ふとんは俺のだ。勝手に盗むな」と言い張りました。太郎は仕方なく、寒い夜を過ごしました。

兄弟は互いにふとんを盗み合おうと何度もしましたが、どちらも成功しませんでした。結局、2人は寒い思いをして夜を過ごすことになりました。

教訓

  • 人から物を盗んではならない。
  • 約束は守らなければならない。
  • 欲張らずに、自分にあるものに満足しなければならない。

虹の渡し舟

まんが日本昔ばなし「虹の渡し舟」

あらすじ

昔、雨の多い村に、雨のたびに水が溢れ橋が流されてしまう問題がありました。村人たちは困り果てていましたが、ある日、美しい虹が出現しました。すると、虹に光る一艘の舟が現れ、村人たちを対岸へと運んでくれました。

村人たちは虹の舟に感謝し、大切にしました。しかし、ある時、裕福な地主が舟を使おうとしましたが、舟は彼を乗せませんでした。地主は怒り、舟を傷つけました。

すると、虹の舟は光を失い、消えてしまいました。村は大雨により再び孤立し、困り果ててしまいました。

登場人物

  • 村人
  • 虹の舟
  • 裕福な地主

教訓

  • 自然の恵みに感謝する
  • 傲慢や自己中心的な行為は報われない

背景

この物語は「天の橋伝説」という、富山県などの日本各地に伝わる民話を基にしています。

備考

  • 「まんが日本昔ばなし」は、1975年から1994年まで放送された日本のアニメーションシリーズです。
  • 「虹の渡し舟」は、1976年7月18日に放送された第57話です。
  • 原作は、稲田和浩の「虹のわたり舟」(『日本の昔話』より)です。

播磨のめっかい

『播磨のめっかい』

『播磨のめっかい』は、日本の昔話で、まんが日本昔ばなしで取り上げられたエピソードです。

あらすじ

播磨の国に住むめっかいという気のいい男がいました。ある日、百姓仕事をしていると、田んぼで馬が暴れて困っている旅人の女性を見つけます。めっかいは馬をなだめ、女性のために馬車を用意してあげます。

その女性は、実は高貴な身分の姫君でした。彼女はめっかいの親切に感謝し、いつか必ず恩返しをすると約束します。

その後、播磨の国は干ばつに見舞われ、人々は水不足に苦しみます。めっかいは、姫君に約束した恩返しを思い出し、彼女の助けを求めます。

姫君はすぐに助けに来て、自身の帯を尻尾に巻いて海まで飛び込みます。すると、海から大雨が降り出し、干ばつは解消されました。

めっかいは姫君に感謝し、姫君は都へ帰りました。そして、めっかいは「めっかい」という名の由来の通り、みんなに愛され親切に生きるようになりました。

登場人物

  • めっかい: 播磨の国に住む気のいい男
  • 姫君: 高貴な身分の女性
  • 百姓: めっかいの隣人
  • 村人: 干ばつに苦しむ人々

教訓

  • 親切はいつか必ず報われる。
  • 困っている人を助けることは良い行いである。
  • 水は命の源である。

三合ばば

まんが日本昔ばなし『三合ばば』

あらすじ

昔、三合という貧しい村に住む名前のないお婆さんがいました。三合ばばは、小さいながらもいつも笑顔で、村人に親切にしていました。

ある日、村に飢餓が訪れ、人々は食べ物がなくなりました。三合ばばも食べ物に困り、毎日山に行って木の実や草の根を採ってきていました。

ある日のこと、三合ばばは山の中で一匹の大きな犬に出会いました。犬は怪我をしていて、三合ばばはそれを家に連れて帰って介抱しました。

すると、次の日から不思議なことが起こり始めました。三合ばばが米びつを開けると、いつも米が満タンになっているのです。しかも、いくら使っても減りません。

村人たちは三合ばばにその秘密を尋ねました。すると、三合ばばは犬の話をしました。村人たちは犬を感謝して大切にしましたが、犬は数日後、三合ばばのもとを去っていきました。

犬が去った後も、米びつにはいつも米が満タンでした。三合ばばは村人に米を分け与え、村は飢餓から救われました。そして、三合ばばの名前は村人にいつまでも語り継がれました。

教訓

  • 親切にすることの大切さ: 三合ばばは動物にも優しくした結果、報酬を得ることができました。
  • 感謝の気持ちを持つこと: 村人たちは三合ばばを感謝し、犬を大切にしました。
  • 神のご加護があると信じれば、困難を乗り越えられる: 三合ばばは犬を助けたことがご加護につながったと信じていました。

エビとカラス

『エビとカラス』

あらすじ:

ある日、カラスが川でエビを見つけ、捕まえて食べようとした。しかし、エビは小さすぎて食べ応えがない。そこでカラスは、エビをもう少し大きく育てるために、沼に放して育てることにした。

内容:

  • エビを沼に放したカラスは、毎日エビに餌を与え、世話をする。
  • エビは急速に大きくなり、やがてカラスをはるかに超える大きさになる。
  • カラスがエビを食べるために沼に戻ると、エビは大きくなりすぎて食べることができない。
  • そこでカラスは、エビに助けを求める。
  • エビは、カラスに恩返しとして、背中に乗せて沼から出す。

教訓:

  • 恩を忘れない
  • 人に親切にすれば、いつか自分にも良いことがある
  • 困った時には、助けを求めることが大切

物語の派生:

  • 一部のバージョンでは、エビがカラスを沼の向こう側まで運んだ後、カラスがエビを食べる。
  • また、エビがカラスの落とした別の物を背負ってあげるというバージョンもある。
  • この物語は、「恩返し」というテーマを扱った日本の有名な昔話であり、学校や家庭でよく語られている。

隠れ島の婿さま

「隠れ島の婿さま」

収録:まんが日本昔ばなし 第1195話(1983年10月17日放送)

あらすじ

昔々、美しい娘の千代が住む村がありました。ある日、村に立派な若者・与平がやって来て、千代に求婚します。しかし、千代の父はお金を目的で娘を他の家に嫁がせようとしていました。

困った千代は、村はずれにある「隠れ島」へ逃げ込みます。隠れ島には、美しいが気むずかしい乙女・乙姫が住んでいました。千代は乙姫に助けを求め、乙姫は千代を一時的にかくまいます。

一方、千代を捜していた与平が隠れ島を見つけます。乙姫は、千代と結婚させるかわりに、与平に難題を3つ課します。

与平の難題

  1. 「くすべの毛のつめ物」:くすべ(ムカデ)の毛を集めて布団を作る。
  2. 「鬼の豆つき」:鬼が撒く豆をすべて拾う。
  3. 「星取り」:空から星を1つ取って来る。

与平は知恵と勇気を使って、これらの難題を克服します。

乙姫は与平の誠実さを認め、千代と与平の結婚を承諾します。千代と与平は隠れ島から出て、村で幸せに暮らし始めました。

教訓

  • 愛のためには困難に立ち向かう勇気を持つこと。
  • 誠実さはたとえ困難な状況でも報われること。
  • 外見やお金に惑わされず、本当の人間性を見極めること。

荒坂長者

あらすじ

昔、荒坂という村に、国の重宝である「しゃくやくの壺」と「おしゃもじの鉢」を預かる長者が住んでいました。ある日、長者の娘が宝物を見ようと壺を開けると、中からは美しい姫が現れました。姫は「自分は中国の天子の子で、壺に閉じ込められていた」と語りました。

長者は姫を大切にし、娘のように育てました。しかし、ある時、天子が姫を迎えにやってきました。長者は壺と鉢を天子に返しましたが、姫と離れるのが悲しくなりました。すると、姫は「この鉢で粥を作れば、私は帰りたくなったら鉢の中から声をかけます」と言い残して去っていきました。

その後

それから数年後、長者は貧乏になってしまいました。ある日、長者が鉢で粥を作っていると、中から姫の声が聞こえました。「おとうさま、私は帰りたくなりました。おしゃもじを飲み込んでください」

長者は言われた通りにおしゃもじを飲み込みました。すると、姫が鉢の中から現れました。姫は長者の貧乏を治し、再び天に帰っていきました。

教訓

この話は、以下の教訓を伝えています。

  • 大切なものは大切に扱うべきである。
  • たとえ貧困に陥っても、あきらめてはいけない。
  • 恩義は忘れない。

登場人物

  • 荒坂長者: 宝物「しゃくやくの壺」と「おしゃもじの鉢」を預かる長者
  • 長者の娘: 宝物を開けて姫を解放した
  • 中国の姫: 壺に閉じ込められていた
  • 天子: 姫の父

舞台

  • 荒坂村

時系列

  • 長者が宝物を受け取る
  • 姫が壺から解放される
  • 天子が姫を迎えに来る
  • 長者が貧乏になる
  • 姫が鉢の中から声をかけ、長者の貧乏を治す

備考

  • この話は、中国の「孟姜女」という伝説がもとになっていると言われています。
  • 「しゃくやくの壺」は、長寿や不老不死の薬が入っていると信じられていたと言われています。
  • 「おしゃもじの鉢」は、無限に粥が出る不思議な鉢と言われています。